メリッサの庭から
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ETV特集:カズオ・イシグロをさがして
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4月17日午後10時NHK教育「ETV特集:カズオ・イシグロをさがして」

テスさんより、お知らせいただきました。
私がテレビ欄を見る習慣がないのをご存知で、いつも私が好きそうな番組があると
前もってメールでお知らせくださるのです。
テスさんから教えていただいた番組は、どれも感動的なほど、私の好みにぴったり。
私が映画「日の名残り」を大好きな映画として紹介していたことを覚えていらして、
原作者のインタビュー番組をご紹介くださいました。

「日の名残り」を観たときは、原作について予備知識がなく、
大文豪の作品を、少し近代に設定変更して、映画化したのかな、と思っていました。

人が誰でも持つ、過去のあるワンシーンへの郷愁、後悔・・・そういう
ものを、人生の終盤に近づいた時に、取り戻そうとしている老執事の物語でした。
イギリスの伝統的な紳士のふるまいや、風景が美しく、静かな中にも
人の心の中にある、思い出や、記憶、そういうものが、人生でどのような存在なのかを
深く考えさせられる映画でした。
淡い期待に胸を躍らせながらも、期待は砕かれ、一人住み慣れた
お城に戻った老執事・・・カメラは、鳥瞰的にその場所を見下ろします。
誰しも、広い世界を泳いでいるようで、実は、小さな小さな場所で人生の大半の時間を過ごし
そこで人生を終えるのだ、ということの象徴のようでした。

彼の作品の熱烈なファンである分子生物学者福岡伸一氏のインタビューの中で、
福岡氏が、カズオ・イシグロの作品は「記憶」がテーマではないか、と尋ねます。

イシグロ氏は、子供から大人になっていく過程で、記憶というものが
どのような存在であるかを、話されました。
子供のころの記憶というのは、大人によって、守られたもの、
繰り返し思い出すことによって取捨選択して美化されていくものでだと思うが
大人になっていく過程で、経験よりも先に、悪い部分や汚い部分を見ながら
絶望や諦めとともに育っていくものでもある、と。

また、彼は、「記憶」についてこのようにも話しました。

我々は、とても大切な人を死によって失います。
それでも彼らの記憶を持ち続けることはできる。
これこそが「記憶」の持つ強力な要素だと思うのです。
それは死に対する慰めなのです。
それは誰も奪うことができないものです。


また、彼は、
我々は、人生が短いと悟ったとき
何を大切に思うだろうか
赦し 友情 愛情といった要素こそが
人間を人間たらしめる上で重要なものなのだ
ともいっていました。

映画化の際に脚本を担当したアレックス・ガーランドは、カズオイシグロを
地球上に存在する英語作家のうちの最高峰の一人と評価しています。

そんな彼を育てた土壌は何だったのでしょう?
福岡氏は、彼が5歳まで過ごした長崎市を訪ねます。
イシグロの父親は、長崎海洋気象台に勤務する海洋科学者でしたが
「長崎海洋気象台の歌」の作曲者でもありました。

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カズオ・イシグロは、音楽をこよなく愛する父から、
音楽や、自然科学を敬愛する心を学び、そして自身は文学の道へと進みます。

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インタビューを終えて、福岡伸一氏は、イシグロから強い影響を受け
自身が30年間研究を続けた「分子生物学」にピリオドを打つことを決意し
4月1日より、あたらしい研究に臨む決意を語ります。

個人的には彼の動的平衡について、ちょっと胡散臭く感じていました。
すべてを「動的平衡」で説明するわけですから、アインシュタインかニュートンの
つもりなんだか・・・・と。
しかし
新たなテーマ「もっと広い、文明、文字や歴史や時間の中で生命をとらえ
もう少し違う文体で語りたい」というつぶやきに、とても共感を覚えました。
彼は、5月のJHS研修会で、講義をされます。
あまり気乗りしなかったのですが、4月1日から生まれ変わった福岡氏の
お話を是非、聞いてみたいと楽しみになりました。

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