メリッサの庭から
大好きなハーブを中心に人、音楽、映画、本、食べ物など出会いの感動を・・・
出家とその弟子  ~4度目の出会い
勤めていたところの図書館報に「読書について」という
ものすごくアバウトなタイトルで何か書けと言われたことがありました。
「宇宙大戦争」と「出家とその弟子」を取り上げてなんとかまとめました。

「宇宙大戦争」は小さい頃、父が、買ってきたと言って与えてくれたものですが
続きを早く読みたい私に、月刊誌だから月に1回しか「買えない」と言って
毎月1冊ずつ与えてくれたものです。
今にして思えば、古びたその本は、まとめてどこかで貰ったか
古本屋で買ったとしか思えませんが、子供心はそんな疑いも無く
毎月、父が職場から持ち帰るのを楽しみに、何度も読み返したりしていました。

「出家とその弟子」は3度読みました。
最初は中学2年から3年になる春休みに、元担任の先生が赴任して行った
山奥の学校へ同級生たちと遊びに行くバスの中で読みました。
その日、なぜこんな本を持って出たのか、どういう経緯で持っていたのかなど
全く記憶がありませんが、バスの中で、男子と隣り合わせに座ることになり
話をするのが面倒なので、目を伏せて、ずっと読んでいました。
もっと「自由空間」なら、たぶん読了することはなかったと思います。
山奥の黒藤川というところに到着する頃には、ちょうど読み終えて
「なんだかわからないけど、とても清清しい」と感じました。
書かれていることのほとんどが理解不能でしたが。

なんだか清清しい本だった、という印象だけで中身については
ほとんど記憶がありませんでしたが
就職してしばらくして、泊りがけの研修会があり、なぜかまたそこに持参したのです。
その年の採用は女子が私一人だったので、夜は話す相手も無く
部屋で一人読みふけりました。
内容は覚えていないのですが
中学生の私が気づかなかった場所で心ふるえました。

3度目は、20代の後半、人生について、そろそろどう生きるか
決めなければならない時期に来ていました。
過去の2回との大きな違いは、たまたま軟禁状態のような時空を
利用したのではなく、寝る時間を削って読みました。
人とはどのようなものか、というような部分に深く感じ入りました。

次に手にする時は、いつだろう・・・・
図書館報はここで終わりです。

そして、今、李登輝氏の著書の中で4度目の再会をしました。
李登輝氏と「出家とその弟子」との出会いは、私のそれとは、全く違います。
子どもの頃から「死とは何か」という大命題を考え続けておられた李登輝氏は
答えを求めてイギリスの思想家トマス・カーライルから始まり
ゲーテ、ニーチェ、ショーペンハウアー、カント
ヘーゲル、マルクス、西田幾多郎を経由して出会っておられるのです。

同じ書籍でも、読む人の蓄積によって、読み解き方は
全く違うという、ことを、そんなこと当然ですが
目の当たりにして、しみじみと感じています。

私に買われた「出家とその弟子」可哀想・・・

改めて書きたいと思いますが、中学校でのヒップホップダンス必修化に
私は賛成できません。
中学生の時期には、読書こそが一番大切なことだと、私は思うのです。

この記事に対するコメント

李登輝氏の『武士道』をお読みになったんですか?

李登輝氏は22歳まで日本人でした
旧制第三高等学校から京都帝大で学んだ秀才で、氏の精神の重要な部分は日本的教養によって培われました
若き頃から岩波文庫などの日本語の書物を耽読し、今なおその旺盛な読書力は衰えていないようです

『武士道』その他の自著のなかで挙げておられるように、氏は『出家とその弟子』にも大きな影響を受けています

李登輝氏が度重なる精神的・肉体的危機や困難を強い精神力で乗り切れたのは、その深く広い教養にあると思います

いたずらに現代日本の政治家と比較するのは控えるとしても、李登輝氏を見るにつけ、政治家には人文的素養がいかに重要かが察っせられます

現閣僚のみならず、戦後の日本の政治家の多くは社会科学を専攻した人物が多く、その結果、歴史や文化に関する知識が希薄になる

例えば、田中角栄内閣の閣僚などは、圧倒的に東京帝大法学部出身者が多く、それはそれで優秀な法知識を評価できますが、どうしても官僚的な発想が優先されてしまいます

そういう人材は、平時には能吏(受験エリート)としてよい働きをしますが、乱世には機能しにくくなるのではないでしょうか

今の日本は能吏の知能だけでは処理しきれない問題がたくさんあります

文学・宗教・歴史など、官僚には必ずしも必要とされない知識が今後の政治には必要と考えます

そういう意味でも日本に李登輝氏のような政治家が出てくることといいですね(というか、出てこないとエライことになります)

ブログの主旨からずれちゃいましたね
あしからず
【2012/02/22 21:24】 URL | 金岡秀郎 #- [ 編集]

Re: タイトルなし
金岡秀郎先生

ご紹介ありがとうございました。
まずは図書館でざっと拝見して、是非手元に置き、じっくりと拝読したいと思って
アマゾンで購入しました。出品者からしか購入できませんでしたが
このような立派な書物を手放す人が多くいることに愕然としました。
また、価格にも、がっかりいたしました。買う側は安価にこしたことはありませんが・・

李登輝氏の教養の深さに敬服しております。
拝読しての感想は、一言・・・「凄い」です。
そんなに凄いのに、決して自慢話と感じさせない質の高いご著書ですね。

金岡先生が文化講演会でお話されていた、「ぶれない」ということ
それが、信仰や良書の読書を通して培われていくのだと
あらためて確認させていただきました。

読書は人を作っていくと思います。
様々な言葉に触れ、心を動かしながら、自分自身の言葉が作られていくと思います。

エライことになる前に、秋山好古のような方が、この国を
立て直して牽引してくださったらと、願っています。
幼稚な国民が幼稚な政府を作る、と「自助論」でも言われていますが
トマトに脂肪燃焼作用があると、報じられるとスーパーから
トマトが消えるような国民ですから、選挙のたびに、「風」に左右されてしまうのも
仕方のないことでしょうか・・・・

【2012/02/23 01:39】 URL | メリッサ #- [ 編集]


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